タロットの神秘
第3回:悪魔のカードが教える大切なメッセージとは?!
タロットカードの中でも、「死神」「塔」「悪魔」のカードは描かれている絵が恐ろしく、これを引いてしまうと、「なんて恐ろしいカードを引いてしまったんだ…」と気落ちする人が少なくありません。自分の現状やこれから訪れる未来に、影が差してしまったように感じられます。しかしながら、実はこれらのカードは、「恐ろしいこと」を伝えているのではなく、私たちに大事なメッセージを送ってきているのです。今回は「悪魔」のカードが教える、大切なメッセージについてお伝えします。
●カードに描かれた絵の意味
悪魔のカードは、真っ暗な背景に、上半身は人間、下半身は獣の、コウモリのような羽を持つ悪魔が、下向きに松明(たいまつ)を持ち辺りを照らしています。そしてその悪魔の足元では、男女が首を鎖でつながれ立っています。男女の頭にはツノが、お尻にはしっぽがあり、しっぽの先は男性が炎に、女性が果実になっているのが特徴的です。
- 中央の悪魔…神に背いて堕天した天使、ルシファーを表わします。
- 男性と女性…「恋人たち」のカードで出てきた2人。ツノとしっぽがあるのは、もうすぐ動物に転生されてしまうからで、2人は楽園を追われたアダムとイブを表わします。
- 鎖に繋がれた状態…鎖はゆるく、その気になれば鎖を断ち切って逃げられるのですが、2人は逃げずに現状に甘んじています。
- しっぽの炎と果実…「恋人たち」のカードで、それぞれの傍にあった木に実っていた炎と果実です。
中央の悪魔は、私たち人間の暗闇、心の弱い部分に対して警鐘を鳴らしています。捕まえているはずのアダムとイブの鎖をゆるくしか結んでいないところから、2人がこれからどうするのか、私たちがこれからどう判断し動いていくのかを見守っているのです。
●カードが正位置で出た時の意味
- 悪い習慣にはまり込んでいる
- 負のサイクルから抜けられない
- 欲に負けてしまっている
- 腐れ縁が断ち切れない
- 現状に甘んじてしまっている
●カードが逆位置で出た時の意味
- 負のイメージを拡散させている
- 誘惑、腐れ縁を断ち切ることができる
- トラブルが徐々に回復していく
- 囚われの状態から目覚めることができる
- 何かを手放すことができる
●悪魔のカードが教えること
悪魔のカードは、総じて私たちが「拘束」されている状態、特に、何らかの「欲」に囚われている状態を教えてきてくれています。
カードが正位置で出た時は、今まさに欲に囚われ、身動きができなくなっていることを表しています。「欲」とは、金銭欲、地位・名誉欲、飲食欲、賭博欲、色欲などの他にも、嘘偽りを口にする、約束を破る、嫉妬、憎しみといった、欲から来ている悪しきもののことを指します。つまりは、誘惑に負け、自分のことしか考えられなくなっている状態です。そして重要なのは、そのような状態になっていても、まだ自分が欲に囚われていることに気付いていないということです。なので、悪魔のカードを正位置で引いた場合、まずは自分に「止められない、悪い習慣はないだろうか?」と問いかけてみてください。私たちがそこで気付くことができるかどうか、悪魔が見ています。
カードを逆位置で引いた場合には、自分が今どのような状態にあり、何かしら悪しき習慣を持っていることに、自分でちゃんと気付けています。しかし、気付けているだけで、それを断ち切るところまでは行けていません。逆位置のカードは「問題にしっかり、正面から向き合うチャンスが訪れている」ことを教えてくれています。これを機に、しっかりと問題に取り組むことができれば、悪しき習慣を断ち切ることができるはずです。
●悪魔のカード、もう1つのメッセージ
悪魔のカードが何かに囚われている状態を表わすと言いましたが、言い変えればそれは、何か1つの物事に集中し、絶大なエネルギーを注いでいる状態だとも言えます。つまり、このカードを引く人は、集中力が高く、エネルギーの注ぎ方を変えれば、様々な場面で成功を収められる素質を持っているということです。このカードを引いた際には、是非とも悪しき流れを断ち切り、良い流れを作るように意識してみてください。