タロットの神秘
第1回:タロットカードの神秘の歴史
タロット占いは現代において、大変人気のある占いのひとつです。メディアで何度も取り上げられているため、その神秘的なタロットカードの絵柄を目にする方もたくさんいらっしゃると思います。専門店に限らず、書店などでも複数のタロットを手に入れることはできます。しかし、神秘的なのはその絵柄だけではありません。タロットカードそのものが神秘に包まれているのです。
タロットカードの起源ははっきりせず、未だ解き明かされない神秘のベールに包まれています。唯一わかっていることは、“突然現れて短期間で広まったこと”だけ。インド起源説や中国起源説、エジプト起源説など、その始まりには諸説あります。実は少数ながら、日本が起源との説も存在します。しかし、日本や中国起源説については、カードに描かれている寓意画の性質などから推察するに、まずありえないと言われています。中国には“五行説”や“陰陽論”という理論がさかんであったことから、22枚の大アルカナと56枚の小アルカナの合計78枚のカードの構成には、五行及び陰陽が示すところの数の概念があてはまりにくいのです。そしてまたインド起源説も、タロットカードの構成とキリスト教を連想させる意味を考えると、説得力に欠けます。
そこで最も有力と言われているのが、エジプト起源説。18世紀のフランスのエジプト学者アントワーヌ・クール・ド・ジェブランが、タロットカードのエジプト起源説を唱えてから状況は一変しました。ジェブランは、古代エジプトの神秘学がカバラ思想家たちにより解明され、ジプシーの手に渡りヨーロッパに伝わったと説いています。ジェブランがエジプト起源説を説いた一番の理由は、「TAROT(タロット)」の「TA(ター)」はエジプト語で道、「RO(ロー)」は王を意味しているからです。つまり「TAROT」は王道、もしくは皇帝の道という意味になると考えたのです。さらに、タロットカードに描かれている絵図は、古代エジプトの英知を集めた宗教的な意味合いを持つ教義書であり、知らない者が見たらただの絵にしか見えませんが、わかる人が見れば宗教・哲学・法律など、その絵に隠された意味を読み解くことができると言うのです。このようにしてタロットカードは、様々な研究者により解析が進み、その結果最も説得力を持つのがエジプト起源説なのです。
現存する最古のタロットカードは、フランス国王シャルル6世が当時の画家に書かせた手書きのカードで、フランスの国立図書館に保存されています。しかし、残念ながら17枚の札しか残されていません。タロットは、非常に長い歴史と、神秘的な逸話や、哲学、宗教などいろいろなものが深く関わっていて、それらが映し出されています。いろいろと謎が多い占術ですが、それがかえって神秘性を高める要因になっているのです。
このように遥かに長い歴史を持ったタロットカードは、宗教・哲学・神話などと密接に関わっていて、カードの絵柄にはこの世のすべてが映し出されているとされます。しかしなぜ、これほどまでタロットカードは長い歴史を持ち、愛用され続けてきたのか。答えは簡単です。“当たる”からです。しかもただ当たるのではなく、非常に精度が高い回答を得られるのです。占い師や占い業界の間でも、タロット占いの的中率の高さは周知の事実です。だからこそ、タロットカードが長い歴史を持ち合わせている、つまりそれが証明しているのです。さらに、タロットカードはあなたの潜在意識とつながり、あなたの運命を言い当てます。恋愛問題や人間関係など人の感情の問題に対して、明確な回答を提示できるのはタロットカードだけです。「何故タロットカードでここまでわかるのか?」と驚かれるかもしれません。しかし、これは事実なのです。いつの時代も権力者から庶民までさまざまな人々の未来を指し示していたタロットカードは、その神秘性と的中率の高さから人気ナンバー1の占術としてこれからも君臨し続けることでしょう。